慶應大卒ビジネスマンが「専業主夫」になった理由〈AERA〉
9月5日(木)7時9分配信
「高学歴」が役立つのはビジネスシーン……とばかりは言えないかもしれない。高学歴だからといってあえて仕事にとらわれないことで、幸せを見つけた人もいる。
固定観念からの解放で幸せを感じたのは、宮内崇敏さん(34)だ。帰国子女で慶應大を卒業。就職不況の最中でも大手人気企業5社から内定をもらうほど就職活動は順調。エンタメ系の大手企業に就職後は、自らは学歴を気にしたことはないのに「エリート採用」と呼ばれた。人一倍やる気があり、上司にも意見をする性格。上下関係の厳しい日本の企業になじめなかった。
めまいや過呼吸など自律神経失調症を引き起こし、その後転職もしたが、症状は回復しなかった。09年の夏、外資系企業に勤務する高校、大学時代の同級生の妻に言った。
「働くの、やめようと思う」
同級生には商社や外資系企業で活躍する人が多かった。宮内さんも「男は働いてなんぼ」と思っていたし、出世もしたかった。挫折感や恥ずかしさがこみ上げたこともあった。
だが、自分ができることは家事と2人の娘の子育てだ、と気持ちを切り替えた。「専業主夫」をやってみると、工夫することで家事や育児の効率や精度が上がり、仕事と同じだと思えた。朝晩に学習時間を決めて、娘ときちんと向き合う。会社員だったら絶対に持てなかった時間。学んだことを仕事に生かす代わりに、娘に伝えることもかけがえのないことだと思う。
家事の合間に4コマ漫画を描いてブログにアップすると、人気が出た。雑誌の編集者から連絡が入り連載も持つ。いまは、専業主夫になったからこその幸せもあると実感できる。
「学歴も含め、とらわれないこと。人の目を気にせず、自分の目の前のことに向かって幸せを感じるって大事だと思います」
学歴は、幸せにも不幸にも「レバレッジ」をかけるツール。それを生かして人生を充実させられるかは、自分次第なのだ。
※AERA 2013年9月2日号
この記事を読んで、これが本当の男女平等だと思いました。
もう、男は働いてなんぼ、女は家事が出来なきゃダメ
などという言葉は死語になっていくのかもしれません。
その人が幸せであって、家庭がうまくいっているのなら、家族の在り方はどんな形でもOKなのだと思いました。
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